再び訪れた“双創”の熱気
2019年の全国「双創(大衆による起業・イノベーション)」週間は杭州で開催された。メイン会場と展示館は、完成したばかりの未来科技城アカデミックセンターに設けられた。そこからわずか200メートルの場所に、多くの杭州スタートアップが夢を出航させた「夢想小鎮」があり、さらに南東2キロには多くの起業家が指標とするアリババ園区がある。
起業のホットスポットは年々変わる。この年のキーワードは自動運転車、AI+、そして農村振興だった。出展企業は大きく三つに分けられる。高い技術力を持ちながら商业化まで距離がある大学発プロジェクト、既存事業を基盤に新たな領域へ広げる大企業、そして社会的価値の高いプロジェクトを掲げる独立系スタートアップだ。
百度の自動運転車のそばで、ある来場者が嘆くのを耳にした。「イーロン・マスクはもうロケットを作っているのに、私たちはまだ車で追いかけている。いつ追随から先導に変われるのだろう?」
先頭に立つことは重要だが、まずは生き延びることがより重要だ。
夢想小鎮はかつて杭州起業家の風向計だった。3年前は人であふれ、シェアオフィスの席は満席、イベントがひっきりなしに開かれ、カフェも席がないほどだった。今年のイベントでも李総は雇用が最大の民生課題であり、双創こそ雇用を促すと繰り返し強調した。厳しい経済環境のなか、スタートアップの事業開発は一段と難しくなり、創業者たちは高い家賃のシェアスペースが成長を助けないと悟って周辺のオフィスビルへ移り始めた。3年後の今、夢想小鎮はずいぶん静かになっている。
物理的にはジャック・マーから遠ざかったかもしれないが、目標には少し近づいたのかもしれない。
公開日: 2019年6月14日 · 更新日: 2025年11月21日