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Goertek年次報告のハイライト

iDiMi—Goertek年次報告のハイライト

2017年と比べると、Goertekの2018年年次報告には目新しさが少なく、経営陣による業界や将来像への洞察も多くは語られていない。投資家が年次報告を読まないこととも関係しているのだろう。主なポイントは次のとおり:

  • 2018年は四半期ごとに売上収益が順次増加。2017年の傾向と同じで、「回復」というより業界の季節性パターン。
  • 2018年、同社は「千億元級企業」育成の特別資金として山東省濰坊市から1.5億元の補助を獲得。濰柴動力とGoertekの2社が濰坊ハイテク区の成長ドライバー転換の重点プロジェクトに挙げられ、政策面の追い風が強い。
  • 2018年10月、外需安定化のため、国務院は11月1日から輸出増値税還付率を引き上げ。15%(および一部13%)は16%へ、9%は10%(一部13%)、5%は6%(一部10%)へ。エレクトロニクスに直接プラス。Apple等の大口顧客に依存するコンシューマー電子部品の主要サプライヤーであるGoertekは恩恵を受け、2018年の「その他の売掛金」は44.46%減少。
  • 連結では売上高2,375.06億元、前年比6.99%減。上位5顧客の売上比率は66.45%。親会社株主に帰属する純利益は8.68億元で前年比59.44%減。売上原価は1,928.19億元で3.19%減。精密部品(WeChat用マイク・スピーカー)が売上の41.82%(前年59.78%)、スマートアコースティック(ヘッドホン・スピーカー)が28.68%(前年40.37%)、スマートハード(ゲーム機アクセサリ、VR/AR)が27.9%。スマホ不況の中でスマートハード比率は上昇する一方、精密製造では歩留まりが鍵。新規ラインは歩留まり立ち上げ中、VR市場は調整局面で、業績に重し。ただしAirPodsを生産するベトナム子会社は売上3.3億元、純利益1.9億元で、関税の逆風を回避。
  • AppleとQualcommの特許紛争、MicrosoftがAndroidで年間60億米ドル超のライセンス収入を得るという報道は、特許の重要性を浮き彫りにする。2018年、同社は特許3,725件を出願(うち発明特許2,006件)、発明特許の付与は514件。2018年末時点の累計出願は15,660件(海外1,838件)、発明出願6,818件;累計付与8,253件、うち発明1,476件。強固なR&Dを示す。
  • 2014年4月に参入したDanshuiquanは、依然として1.12%を保有、リバランスなし —— 断固たる構え。
  • 今後の株価は、4月24日公表予定の2019年第1四半期決算にかかっている。

公開日: 2019年4月20日 · 更新日: 2025年10月26日

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