ベトナムの農業で起業するとはどんなことか

iDiMi-ベトナムの農業で起業するとはどんなことか

Seedstars World のベトナム大会で、農場向けにデータサービスと意思決定支援を提供するアグリIoT企業 Mimosa TEK が優勝した。2017年にスイスで行われる世界決勝にベトナム代表として出場する。最高賞金は100万ドル。

ベトナムからは70社超が出場枠を争い、Mimosa TEK が頭角を現した。前年にはホーチミン市で IDG Capital と Samsung 系 VC の Go Live! から15万ドルの投資を受けている。

私たちは Mimosa TEK の共同創業者 Nam Dang 氏に、ベトナム農業の現状を聞いた。

  • ベトナムに他のアグリIoTスタートアップはありますか? アグリIoTはベトナムではまだ新しい分野だ。私たちは実運用の製品を持つ先行組に入る。他にもプレイヤーはいるが、多くはアイデアや試作段階にとどまっている。
  • ベトナムの農家に Mimosa TEK の技術が必要な理由は? ベトナム農業は非常に非効率で、アジアでも最低水準だ。無駄は至る所にある。例えば冠水かんがいで約50%の水が失われ、肥料の60%以上は作物に吸収されず流亡して環境を汚染する。病害虫は収量を20〜30%減らす。残留農薬超過による輸出損失は毎年700万ドルに達する。根本原因は、農家の経験不足と作物理解の欠如、そして栽培管理の弱さだ。私たちは作物のニーズをリアルタイムに把握し、新しい栽培様式を取り入れる手助けをする。IoT により土壌肥沃度を高め、水と肥料を節約し、増収・増益に繋げられる。
  • 農家が直面する課題は? 多くの農場は5ヘクタール未満だ。小規模ゆえの制約(資金不足・インフラ脆弱・技術遅れ)がある。生産コストを下げるエンドツーエンドの解決策を提供する企業が切実に必要であり、近代的な農業マインドを浸透させる各種研修も不可欠だ。農業では、速く進みたければ、むしろ忍耐が要る。
  • ベトナムのスタートアップ環境は? 勢いよく拡大している。1年前は「スタートアップ・エコシステム」という言葉すらほとんど聞かなかったが、今ではVC・エンジェル・インキュベーター・政府系ファンドの後押しで雰囲気は活気づいている。スタートアップはより訓練され、経験を積み、市場投入の準備ができてきた。多くは内需に留まらず、グローバル市場での成長を目指している。

公開日: 2018年12月29日 · 更新日: 2025年12月12日

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